所沢市が主催する「きっかけ作り交流会」に参加した時に、所沢の野菜を盛り上げたいと話題になって、何か引っかかるものがあったんです。私の実家は北海道の農家で、農家で育ったからかは分からないのですが、所沢で店を開いて生活をしていても地域の農業のことを全く知らないことに気づき、戸惑いを感じたんだと思います。所沢の農業のことを知りたい、何か関われないかと考えるようになった時に、商工会議所の鈴木さんが店に来て立ち話で自分の考えを伝えてみたら、「それはいいですね、上司にはかけ合いますので是非やりましょう」という話しになったんです。それでまずは私と同じ立場の人に集まって意見を聞いてみることになり、知り合いの飲食店の方たちに商工会議所に集まってもらったのが、第1回目の会議です。

第1回の会議は話し合いというより、私の想いを伝える場であり、他の方の想いを聞く場でした。所沢の農家を応援したい、地域に貢献をしたいという想いを伝えてどうなるか、どれだけ共感してくれるかも分からなかったですが、同じ想いを持っていて共感してくれる方もいる事が分かりました。それで2回目の会議では、想いだけでは始まらないので農家の方の話しを聞こうと吉田さんに講師として、農家の実際のお話しをしてもらいました。その後は農家と直接付き合いのある峯岸さんに流通の話しを聞くなど、回を重ねながら少しずつ想いを形にしてところ産食プロジェクトが立ち上がったんです。

とこプロは私の想いから始まり、それに共感してくれる人の想いが集まった場所です。難しいのは想いは人それぞれ違っているので、全く同じ想いを持ってもらうことは出来ませんし、熱の違いは出てくることです。とこプロの野菜を取り扱って頂いている飲食店の方にはまだまだこちらの想いを伝え切れていないのですし、運営側も年数を重ねてくると想いの熱も下がってきてしまうなど課題は山積しています。ただ、その課題を乗り超えるためには、熱い想いを持ち続けて、熱を伝え続けていくしかないと思っています。その為のエネルギーとなるのが、常に新しいことへの挑戦を忘れないことです。未知の領域への探求心で新しいことに挑戦すれば、想いは熱く持っていられますし、その熱が相手にも伝わると信じています。

とこプロの基本は農家と飲食店が繋がり、地域の野菜を普及させていくことにありますが、それ以外にも農家と農家、飲食店と飲食店と、とこプロに関わる人たちが様々に繋がって新しいことが生まれる場所でもあります。これからも所沢の農業や地域貢献に良い取り組みを生んでいけるように、理事一同で熱く盛り上げていきますので、挑戦し続けるとこプロを応援宜しくお願いします。